*Exhibition



*statement


平面にとって不可分である「表」と「裏」。
互いの反面にはどれだけ間合いを詰めようと到達することができないように、絵画においても作品上に現れるイメージから受け取られる印象と、作者の意図や眼差しとは、絶対的に埋められない齟齬、ないし不可視の距離的なものがある。いわば「絵画の反面」である。この届かざる互いの視座に我々はどれ程接近しうるのだろうか?
絵画と対峙する時、批判的に「鑑る」のではなく身体感覚でもって「向き合う」ことにより、我々の意識はより深く絵画空間に接続される。その時、絵画は反面‐到達できない両者‐を媒介し、他者との間に生まれる届かざる距離について、時に拡張し、我々に問いかける。
桑園は証明写真を用いて身近、もしくは身近だった人物のポートレートを制作。あえて対象を希薄な情報へと変換し遠ざけ、絵画によってその距離を取り戻そうとする。その中で自身に内在する対象へのイメージをまさぐり続け、馳せた想いの堆積が像となって画面に立ち現れる。
團上は詩など言葉の持つ概念的な構造を解体し、絵画によって再構築を測る。外在的な秩序を抽象的色彩・筆致に置き換えることで新たなイメージが立ち上がり、絵具を剥ぎ取りまた重ねるという背反した行為から生じる空白によって絵画空間は物質性を越え拡張される。
本展では2つの作品世界を通して、きわめて私的な営みである芸術の普遍性を考察すると共に、差異によって現れる2つの座標から絵画空間が内包するイメージまでの距離を探ります。